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うみがめ
異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《異妖の怪談集 岡本綺堂伝奇小説集 其ノ二(うみがめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,507 字 · 291 頁
「いや、知らない方がいいかも知れない。」
「じゃあ、美智子は普通の病気じゃあなかったのか。」
「勿論だ。普通の病気なら、僕はどんな方法をめぐらしても、きっと全快させて見せる。君の家だって出来るかぎりの手段を講じたに相違ない。しかも相手は怪物だ、海の怪物だ。それが突然に襲って来たのだから、どうにも仕様がない。」と、彼は拳を握りしめながら罵るように叫んだ。
「君、まあ落ちついて話してくれたまえ。それじゃあ美智子はなにか変った死に方をして、君もその場に一緒に居合せたのだね。」
「むむ、一緒にいた。最後まで美智子さんと一緒にいたのだ。いっそ僕も一緒に死にたかったのだが……。どうして僕だけが生きたのだろう。」と、彼はいよいよ昂奮した。「君はおそらく迷信家じゃああるまい。僕も迷信は断じて排斥する人間だ。その僕が迷信家に屈伏するようになったのだ。僕は今でも迷信に反対しているのだが、それでも周囲のものどもは、僕が屈伏したように認めているのだ。」
彼は一体なにを言っているのか、僕には想像が付かなかった。
二
「まあ、聞いてくれたまえ。」と、清はあるきながら話し出した。