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いせいのあいだのゆうじょう

異性の間の友情

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《異性の間の友情(いせいのあいだのゆうじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,812 字 · 14 頁

青空文庫

先頃、友情というものについてある人の書かれた文章があった。その中にニイチェの言葉が引用されている。「婦人には余りにも永い間暴君と奴隷とがかくされていた。婦人に友情を営む能力のない所以であって、婦人の知っているのは恋愛だけである」と。その文章の筆者は「婦人についてかく言い得るや否やは、問題であるけれども」とただし書を添えながら、元来友情は、お互が対等であって互に尊敬し合うことのできる矜持ということが重要な契機であるから、奴隷や暴君が真の友情をもち得ないということの強調としていられるのであった。

今の時代の生活の感情のなかに受けとって味わうと、ニイチェのいった言葉もひとりでに彼の生きた時代のものの考えかたを歴史的に映し出していて面白く思われる。この詩人風な哲学者が「婦人のなかには」云々と一方的にだけいっていて、そのような婦人が存在する社会の他の現実関係として、当時の男性が婦人に対して持っていた習俗なり態度なりについては、男自身のこととしてまるで省察の内にとりあげていないのは興味があるところではなかろうか。婦人の知っているのはそればかりとされている恋愛にあっても、そういう相互関係のなかでは、やはり婦人のうちなる暴君か奴隷かが跳梁して、つまりは彼のもう一つ別な有名な言葉、すなわち、「女には鞭をもって向え」