輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しろがねのえず

白金之絵図

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《白金之絵図(しろがねのえず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,356 字 · 47 頁

青空文庫

」

「知らん。」と、苦い顔で極附けるように云った。

「はッ、これはこれは御無礼至極な儀を、実に御歩を留めました。」

がたがたと下りかかる大八車を、ひょいと避けて、挨拶に外した手拭も被らず、そのまま、とぼんと行く。頭の法体に対しても、余り冷淡だったのが気の毒になったのか。

「ああ聖心女学校ではないのかい、それなら有ッじゃね。」

「や、女子の学校?」

「そうですッ。そして聖人ではない、聖心、心ですが。」

「いかさま、そうもござりましょう。実はせんだって通掛りに見ました。聖、何とやらある故に、聖人と覚えました。いや、老人粗忽千万。」

と照れたようにその頭をびたり……といった爺様なのである。

二

その女学校の門を通過ぎた処に、以前は草鞋でも振ら下げて売ったろう。葭簀張ながら二坪ばかり囲を取った茶店が一張。片側に立樹の茂った空地の森を風情にして、如法の婆さんが煮ばなを商う。これは無くてはなるまい。あの、火薬庫を前途にして目黒へ通う赤い道は、かかる秋の日も見るからに暑くるしく、並木の松が欲しそうであるから。

老人は通りがかりにこれを見ると、きちんと畳んだ手拭で額の汗を拭きながら、端の方の床几に掛けた。