輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんぴこんちゅうかん

神秘昆虫館

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《神秘昆虫館(しんぴこんちゅうかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 105,803 字 · 213 頁

青空文庫

思案に余ってしまったのである。

その間もジリジリと松葉杖は、上へ上へと上がって来る。一尺二尺、さて三尺! と、グ――ッと振り冠った。光るは棘のある環である。陽に反射してキラキラキラキラと、非常に綺麗な宝石のようだ。そうして吉次は、一本足で、ヌ――ッと突っ立ち微動もしない。例によって樫の木、生え抜いたようだ。

と、何んとその吉次であるが、翻然片足を刎ね返すと、小一郎の正面三尺の地点、そこまで飛び込んで来たではないか。

同時に「うん」という例の呻きが、吉次の口から迸しるや、シ――ン真っ向から松葉杖が、小一郎の脳天へ降り下ろされた。

ひっ外して右へ小一郎が、飛び交うのを追っかけた吉次の、その素早さ、どうでも妖怪、二本足のある人間より、遙かに遙かに遙かに早い。

「ド、どうだア――ッ」と松葉杖で、一式小一郎の足を払った。

きわどく、左転、小一郎は、飛び交ったが決心した。

「もういけない、叩っ切ってやろう!」

腰を捻ったおりからであった、「一式様」と、呼ぶ声がした。つづいて、「吉次や!」と同じ声がした。

すがすがしい桔梗様の声である。

その桔梗様は花壇を巡り、二人の方へ近寄って来た。