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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉教育論集(がくもんのどくりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 頁
慕するところなるやというに、諭吉、またこれを信ずるを得ず。
あるいはいわく、倫理教科書は道徳の新主義をつくりたるに非ず、東西先哲の論旨を述べてその要を示したるまでのものなれば、その何人の手になり、また何の辺より出でたる云々の詮索は、無益の論なりとの説もあらんなれども、鄙見をもってすれば決して然らず。貝原益軒翁が、『養生訓』を著わし、『女大学』を撰して、大いに世の信を得たるは、八十の老翁が自身の実験をもって養生の法を説き、誠実温厚の大儒先生にして女徳の要を述べたるがゆえに然るのみ。もしもこの『養生訓』、『女大学』をして、益軒翁以下、尋常文人の手にならしめなば、折角の著書もさまでの声価を得ざりしことならん。
この他、『唐詩選』の李于鱗における、百人一首の定家卿における、その詩歌の名声を得て今にいたるまで人口に膾炙するは、とくに選者の学識いかんによるを見るべし。わずかに詩歌の撰にして、なおかつ然り。いわんや道徳の教書たる倫理教科書の如きにおいてをや。たとえ述べて作らずというも、その撰者・述者に帰するところの責任は、もっとも重きものなりと覚悟せざるべからず。