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ふくざわゆきち

福沢諭吉

高山 毅

線上閱讀高山 毅《福沢諭吉(ふくざわゆきち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,555 字 · 109 頁

青空文庫

築城書をこっそりうつす

兄さんといっしょに船にのってかえったのは、五、六月のことでした。

(もう二どと中津へなんか、かえるものか。)

と、かくごをきめていた諭吉ですが、お母さんのつくってくださるりょうりをいただいていると、目にみえてけんこうをとりもどしてきました。兄さんのリューマチも、いますぐあぶないというようすもないので、八月にふたたび大阪にもどって、勉強をはじめました。

ところが、秋になってまもない九月十日ごろ、お母さんから、九月三日に兄さんがなくなったから、すぐかえってくるようにとの知らせがありました。びっくりした諭吉は、すぐさま中津へかえりました。そうしきはおわっていましたが、かわいいあととりむすこをなくしたお母さんと、やさしい兄さんをなくした諭吉とは、手をとりあって、かなしみあいました。

築城書をこっそりうつす

兄さんがなくなったので、諭吉は、福沢家のあととりとなり、中津藩の役所に毎日、つとめなければならなくなりました。けれども、心の中では、中津にいることが、いやでいやでたまりません。

ある日、おじさんのところでなんの気なしに、大阪へまたいきたいとはなしますと、

「ばかなことをいうな。