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しゅうふうき
秋風記
線上閱讀太宰 治《秋風記(しゅうふうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,011 字 · 17 頁
立ちつくし、
ものを思へば、
ものみなの物語めき、 (生田長江)
あの、私は、どんな小説を書いたらいいのだろう。私は、物語の洪水の中に住んでいる。役者になれば、よかった。私は、私の寝顔をさえスケッチできる。
私が死んでも、私の死顔を、きれいにお化粧してくれる、かなしいひとだって在るのだ。Kが、それをしてくれるであろう。
Kは、私より二つ年上なのだから、ことし三十二歳の女性である。
Kを、語ろうか。
Kは、私とは別段、血のつながりは無いのだけれど、それでも小さいころから私の家と往復して、家族同様になっている。そうして、いまはKも、私と同じ様に、「生れて来なければよかった。」と思っている。生れて、十年たたぬうちに、この世の、いちばん美しいものを見てしまった。いつ死んでも、悔いがない。けれども、Kは、生きている。子供のために生きている。それから、私のために、生きている。
「K、僕を、憎いだろうね。」
「ああ、」Kは、厳粛にうなずく。「死んでくれたらいいと思うことさえあるの。」
ずいぶん、たくさんの身内が死んだ。いちばん上の姉は、二十六で死んだ。父は、五十三で死んだ。