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かがくろん

科学論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《科学論(かがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 頁

青空文庫

的に免れない、ということになるのである。実際、社会の技術的水準に依存するのでなければ、如何なる自然科学も、又如何なる社会科学も、発達し得ない。――処で、この技術自身は社会階級などとは異って、何等かの主観にぞくするものではなくて、客観的な物質的な世界だが、併し大事なことは、やがてそれが階級主観に連絡していることであって、実際、技術がブルジョアジーのものであるかプロレタリアのものであるかは、一切の科学の発達進歩にとって、根本的な致命的な問題なのである*。

* 技術は普通、唯物論に於ては労働手段の体系と定義される。この定義は決して充分でないが、併し少なくとも之によって、技術が客観的、物質的なものであることを強調することは出来る。――之については後を見よ。

科学に於ける例の知識構成の組織はかくて、論理的には科学の方法として、社会的にはイデオロギーの機構として、展開するのである。この対立する二つの契機を通って、その揚句、科学が齎すものは、科学の対象界乃至科学的世界である。尤も対象界と云うと、科学が模写すべき原の実在界そのものを指すことも出来るが、今は夫とは区別して、この実在界を方法とイデオロギーとの構成を通じて模写したその像を対象界と呼ぶ世間の習慣を、採用することとしよう。