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とっかんきこう

突貫紀行

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《突貫紀行(とっかんきこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,819 字 · 16 頁

青空文庫

しおがまにてただの一銭となりければ、そを神にたてまつりて、

からからとからき浮世の塩釜で

せんじつめたりふところの中

はらの町にて、

宮城野の萩の餅さえくえぬ身の

はらのへるのを何と仙台

二十日、朝、曇り。午前九時知る人をたずねしに、言葉の聞きちがえにて、いと知れにくかりければ、

いそがずはまちがえまじを旅人の

あとよりわかる路次のむだ道

二十一日、この日もまた我が得べき筋の金を得ず、今しばらく待ちてよとの事に逗留と決しける。

二十二日、同じく閑窓読書の他なし。

二十三日、同じく。

二十四日、同じく。

二十五日、朝、基督教会堂に行きて説教をきく。仏教もこの教も人の口より聞けば有難からずと思いぬ。

二十六日、いかがなしけん頭痛烈しくしていかんともしがたし。

二十七日、同じく頭痛す。

二十八日、少許の金と福島までの馬車券とを得ければ、因循日を費さんよりは苦しくとも出発せんと馬車にて仙台を立ち、日なお暮れざるに福島に着きぬ。途中白石の町は往時民家の二階立てを禁じありしとかにて、うち見たるところ今なお巍然たる家無し。片倉小十郎は面白き制を布きしものかな。