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だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《第二菎蒻本(だいにこんにゃくぼん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,739 字 · 32 頁
土地の請負師だって云うのよ、頼みもしないのに無理に引かしてさ、石段の下に景ぶつを出す、射的の店を拵えてさ、そこに円髷が居たんですよ。
この寒いのに、単衣一つでぶるぶる震えて、あの……千葉の。先の呉服屋が来たんでしょう。可哀相でね、お金子を遣って旅籠屋を世話するとね、逗留をして帰らないから、旦那は不断女にかけると狂人のような嫉妬やきだし、相場師と云うのが博徒でね、命知らずの破落戸の子分は多し、知れると面倒だから、次の宿まで、おいでなさいって因果を含めて、……その時止せば可かったのに、湯に入ったのが悪かった。……帯を解いたのを見られたでしょう。
――染や、今日はいい天気だ、裏の山から隅田川が幽に見えるのが、雪晴れの名所なんだ。一所に見ないかって誘うんですもの。
余り可懐しさに、うっかり雪路を上ったわ。峠の原で、たぶさを取って引倒して、覚えがあろうと、ずるずると引摺られて、積った雪が摺れる枝の、さいかちに手足が裂けて、あの、実の真赤なのを見た時は、針の山に追上げられる雪の峠の亡者か、と思ったんですがね。それから……立樹に結えられて、……」
「お染。」
「短刀で、こ、こことここを、あっちこっち、ぎらぎら引かれて身体一面に血が流れた時は、……私、その、たらたら流れて胸から乳から伝うのが、渇きの留るほど嬉しかった。