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はんちゅうとしてのくうかんについて
範疇としての空間に就いて
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《範疇としての空間に就いて(はんちゅうとしてのくうかんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,453 字 · 89 頁
かく断わった上で存在論的範疇は何と考えられなければならないか。第一にそれは事実――事実とはロゴスとの対蹠というだけの意味である――の有つ偶然性ではなくして必然性であらねばならぬ。非本質的なものではなくして「本質的」なものであらねばならない。併し具体的なものの所謂本質は決して一義的ではない。卓上の一枚の紙の本質は繊維素とも考えられるし新聞紙とも考えられる。そこで第二にそれを本質的なものの内の「形式的」なものであるとしなければならぬ。そうすれば恐らく繊維素が択ばれるであろう。処が又部分的なものも全体的なものも内容に対して形式を持っている。そして部分的なるものの形式が凡て同一であり従って直ちに全体の形式であることは保証出来ない。もしそうであるとすれば部分の形式はなお全体の形式に対して内容となる。真に形式的なものはそれ故第三に「全体」の形式でなければならない。処が又真に全体なるものは吾々が之を此として指示することは出来ない。此として指示すれば彼が残されるであろう。指示するには他との区別を必要とするからもはや全体ではない。故に指示し得るためには或る一つの特徴(Charakter)を条件としての全体である外はない。