輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

せいしんびょうおぼえがき

精神病覚え書

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《精神病覚え書(せいしんびょうおぼえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,027 字 · 18 頁

青空文庫

東大の外来室では、千谷さんの見わけによって、重症であり、兇暴であると判断せられたものは、松沢へ送られる習慣であり、従って、僕の病棟では、脳梅毒患者をのぞいて、ひどい患者はいなかった。

分裂病は二十歳前後に発病し、周期的にくりかえして根治することが先ずないので、入院患者も、三度目の入院とか六度目とかという古強者が多い。然し、分裂病は智能を犯されることがないから、仕事に従事して才能ある限り、単に変り者と世間に目せられているだけで、終生精神病院のヤッカイになることなく、世をすごす人々が多くあるに相違ない。

テンカンも、今では、それを一生欠かさず服用しつゞけていれば、発作を起さずにすむ薬があるそうである。ひどいのは脳梅毒だ。これは智能を犯される。つまり痴呆状態となる。肉体の条件がよければマラリヤ療法でくいとめることができるが、僕の居たとき病棟の廊下をうろついていた四十ぐらいの女の脳梅毒患者は、もう肉体力がなくて、マラリヤ療法を施し得ず、仕方なしに、ペニシリンを打ったり、人工栄養などで、ようやく生きて、痴呆状態で廊下をうろついている始末であった。こういう患者は結局狂死する以外に仕方がないということであった。