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ふんにょうたん

糞尿譚

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《糞尿譚(ふんにょうたん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 51,974 字 · 99 頁

青空文庫

何とも知れんことを口走ったり、何でも手あたり次第に投げたり、暴れるので危ないから、山の総円さんに来て貰って、紙捩で封じて貰った、総円さんは飲んだくれのようなやくざ山伏と人はいうけれども、俺はつくづくと今度だけはえらいと思った、あまり暴れるので俺が大きな綱でぐるぐるまきに縛っておいたのに、どんなに頑丈にしといても何時の間にか抜けてしまうのだ、ところが総円さんは短いかんじんよりで手足の指を繋いで拝んだだけだが、それでもう自由がきかず、全くおとなしくなった。二三日中には必ず狐を追い出してやると総円さんも云っているから、間もなく癒るだろう、ただ何にも食べないので、痩せて行く一方で、それを見るのが可哀そうだ、と次第に卯平は声を落したが、急に気をとりなおすように、嬶も因果な奴さ、俺が道楽して居る間中苦労をさせて、とうとう赤瀬の親方にひどい迷惑をかけて、お詫びかたがたこの山の番人みたいになったが、百姓仕事ばかりさせて碌な目にも合わせず、揚句にゃ狐にまで取っ憑かれやがった。そう云って卯平はおかしそうに笑った。自嘲するようなその笑いは妙に空虚で、そのうそ寒い哄笑は、いきなりがんと彦太郎の胸を叩いた。