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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 頁
いったい山村舞の稽古は、毎年七八月は休むのが例なのであるが、今年は六月に郷土会の催しがあった当時おさく師匠の健康がすぐれなかったので、それから引き続きに九月まで休むと云うことになっていた。それで妙子は、おさく師匠の体のことを気にしないでもなかったものの、つい無沙汰がちに過していたと云うのは、何分師匠の住宅と云うのが天下茶屋の方にあって、阪急の蘆屋からは、大阪を北から南へ突き抜けて、難波から又南海電車に乗らなければならなかったし、稽古は嶋の内の稽古場の方へ行けばよかったので、まだ一遍もその家を訪ねたことがなかったからであった。ところへ突然そんな通知を受け取ったと云う訳であったが、腎臓病から尿毒症になったとあるので、相当重い容態であることは察しられた。
「どんな様子か、こいさん明日見舞いに行ったげてくれへん? いずれ私も行くけれども、―――」
幸子は、何よりも今年の五六月頃に、妙子や悦子のために遠い所を毎日出稽古に来てくれたことが障ったのではあるまいか、あれが発病の遠因を成していなければよいが、と云うことが気に懸った。彼女はあの時分、おさく師匠が妙にむくんだ青い顔をしていたり、稽古を附けながら忙しい息づかいをしていたりするのに心づいて、自分の健康は舞で保っているのだと御当人は云っているものの、腎臓病に体を動かす