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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 頁
此方でお暇が出たら、とてもあんな者を置いて下さるお家はございませぬから、何卒御迷惑でも御辛抱なすってお使い下さいますように、―――お給金などは戴かずとも宜しゅうございますし、どのようにお叱り下さいましても結構でございます、あの娘はちょっとでも甘えさせましたらいけませぬので、叱って叱って叱り続けて戴くくらいがちょうどよいのでございます、―――と、幸子を掴まえてそんな風に頼み込んでは帰るのであった。幸子は最初、洗張屋の張惣の主人が十五になるお春を置いてやってくれと云って連れて来た時、目鼻立が可愛らしいので使って見る気になったのであるが、ものの一と月も立つうちに、大変な娘を雇い込んでしまったことをだんだんと思い知らされて、母親の「あの持て余し者」と云った言葉が、決して一と通りの謙遜の辞でないことを悟るようになった。分けても家族の者共が一番弱らされたのは、この少女の不潔なことであった。尤も目見えに来た時から、手足がひどく真っ黒で垢じみていることは分っていたけれども、それが境遇のせいではなくて、入浴することや洗濯することの大嫌いな、当人の物臭な性質から来ていることが、間もなく明かになったのであった。