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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 頁
二十六
雪子の縁づく迄待たなければならないのと、それだけの理由で躊躇している、と云うのが実状なのであった。
「そしたら、………こいさん板倉とそんな口約束しただけで、それ以上何もないのんやろか?」
「ふん。………」
「きっとそうに違いないのん?」
「ふん。………それ以上のこと、何もあれへん」
「それやったら、その約束実行する云うこと、もう一遍よう考えてみてくれへん?」
「………」
「なあ、こいさん、………こいさんにそんなことされたら、本家にも世間にも、あたしが顔向け出来んようになるよってに。………」
幸子は俄然眼の前に陥穽が開いたような気がした。今では却って妙子は度胸を据えてしまい、幸子の方がすっかり興奮させられて、上ずった声を出していた。
二十六
それから二三日の間、毎朝夫と悦子とが出かけたあとで、幸子は妙子を呼び入れては決心の程度を打診してみたが、妙子の腹はもう極まっていて動くけはいもなかった。幸子は、奥畑と絶縁すると云うことは、本家は兎に角、私達は賛成なのだから、場合に依っては貞之助兄さんに這入って貰って、今後啓ちゃんが着き纏わないように、きっぱり話を附けて上げてもよい、洋裁の稽古のことも、今のところ公然と賛成する訳には行きかねるが、見て見ない振をしているぐらいは差支えないし、将来職業婦人になると云うことも、私達は敢て妨害はし