輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぜっけいばんこくはくらんかい
絶景万国博覧会
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《絶景万国博覧会(ぜっけいばんこくはくらんかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,752 字 · 31 頁
そのようにして、色の対照だけで判ずるとすれば、さしずめお筆を形容するものに、猩々が芝居絵の岩藤。それとも山姥とでも云うのなら、まずその辺が、せいぜい関の山であろうか。けれども、その顔を線だけに引ん剥いてみると、そこには、人間のうちで最も醜怪な相が現れていた。もし、半世に罪業深く、到底死に切れぬような人間があるとしたら、それが疑いもなく、お筆であろう。眉は、付け眉みたいに房々としていて、鼻筋も未だに生々しい張りを見せている。が、その偏平な形は、所謂男根形と呼ばれるものであって、全くそこだけにはお筆の業そのもののような生気がとどまっている。けれども、それ以外には、はや終焉に近い、衰滅の色が現れていた。歯が一本残らず抜け落ちているので、口を結ぶと、そこから下がグイと糶り上って来て、眼窪までもクシャクシャと縮こまってしまい、忽ち顔の尺に提灯が畳まれて行くのだ。そうなると、その大※の頂上が、全く鼻翼の裾に没れてしまって、そこと鼻筋の形とが、異様に引き合い対照を求めて来る。それがまた、得も云われぬ嘲笑的な図形であって、まさにお筆にとれば刻印に等しく、永世滅し切れぬと思われるほど嘲笑的なものだった。