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「ぞくスウィスにっき」はっくつのしまつ

「続スウィス日記」発掘の始末

小島 烏水

線上閱讀小島 烏水《「続スウィス日記」発掘の始末(「ぞくスウィスにっき」はっくつのしまつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,557 字 · 10 頁

青空文庫

のだから」などと、高野鷹蔵氏に話したこともあるそうだから、死後のことまで、細心に書いて置いたものと見える、遺言は十三ヶ条に分けてあるが、その中に

遺骨又ハ灰ヲ成ルベク保存セザルコト、万一、遺骨灰を保存スルトキハ、極小量ニ留メ、適当ノ時機ニ、スウィス国内高山ノ頂ニ埋ムルカ、或ハ何レカノ「クレツヴアス」ニ投ズルコト(原文には句点がない)

とあった、辻村はスウィスの山を忘れぬ男であった、そして氷河のクレッヴァスに、投げこまれる宿命を観じていたのであった、併しそれが、スウィスの代りに函根の山になり、氷河のクレッヴァスの代りに、安山岩の堆石の下、苔蒸す岩清水に、洗われる屍となったのであった、令兄常助氏の追憶記に「山津浪は一気に押し寄せて、家諸共押し流したものであり、其際の弟は、アルプの嶺に、アヴァランシュを踏で、千仞の谷に辷り込む気であったに相違ない、是は痛快だと、心に叫んで、ローザと共に、手とりかき抱き、其まま一潟数十丈を走ったものと思われます」と書かれたのも、辻村を知っている人々は面を掩うて同意しなければなりません。

遺言書には、又こうも書いてある