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びのにほんてきげんせん
美の日本的源泉
高村 光太郎
線上閱讀高村 光太郎《美の日本的源泉(びのにほんてきげんせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,919 字 · 25 頁
この像には既に大陸の影響が十分に消化せられて、日本美独特のものが備っているが、前に述べた清らかさ、高さ、精神至上、節度というようなものに加え、更に疑念なき人なつこさの美がある。これが大和民族の本能から来ているところに意味がある。大和民族はもともと豪壮勇敢な悲壮美に富んでいるが、また一方他に見られぬ疑念なき人なつこさの情にゆたかである。日本人は他民族を不思議に容易にうけ入れる。随分危険なほど明け放ちの性質を持っている。乗ぜられる弱点ともなるが、又これが強大の実力を伴う時民族親和の魅力ともなる。敵さえ包容する大度量ともなる。この像にはその美が「天にはうたがい無きものを」という高度の無垢にまで至っている。実例をあげていられないが、こういう清らかな人なつこさは世界の美の源泉中に類が無い。そして又この美は世界に一つの新らしい美を開く。
神護寺金堂の薬師如来
日本美術の精華を語るに当って、其例を天平期の諸仏像にとるのは世の常識である。これは当然の事であって、飛鳥白鳳の輸入期を超えて、其美が漸く純日本の形式に落着き、しかも技術の優秀、精神の高遠、共に古今に並びなき発達を遂げた時代であるから、およそ日本美術を語ろうとすれば、どうしても此時期の諸仏像を挙げざるを得ないのである。