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びのにほんてきげんせん

美の日本的源泉

高村 光太郎

線上閱讀高村 光太郎《美の日本的源泉(びのにほんてきげんせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,919 字 · 25 頁

青空文庫

としての性質を備えている。殊に夢殿の秘仏救世観世音像に至っては、限りなき太子讃仰の念と、太子薨去に対する万感をこめての痛惜やる方ない悲憤の余り、造顕せられた御像と拝察せられ、他の諸仏像とは全く違った精神雰囲気が御像を囲繞しているのを感ずる。まるで太子の生御魂が鼓動をうって御像の中に籠り、救世の悲願に眼をらんらんとみひらき給うかに拝せられる。心ある者ならば、正目には仰ぎ見ることも畏しと感ぜられる筈であり、千余年の秘封を明治十七年に初めて開いたのがフェノロサという外国人であったという事であるが、これは外国人だからこそ敢て為し得たというべきである。様式だけは北魏に則って造られているが、この破天荒とも言うべき表現の直接性は決して様式伝習の間から生れているのではなく、却て様式破綻から溢れ出る技術と精神気魄との作ったものである。作者がしゃにむになって、むしろ有る限りの激情をうちつけに具象化したものと考えられる。あらたかな御像という物凄いほどの力がその超越的な写実性から来る。作者が絶体絶命な気構で一気に此の御像を作り上げ、しかも自分自身でさえ御像を凝視するのが恐ろしかったような不思議な状態を想見することが出来る。