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じじょでん

自叙伝

大杉 栄

線上閱讀大杉 栄《自叙伝(じじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,021 字 · 230 頁

青空文庫

お花さんはどうしたのか覚えていないが、お礼さんは柏崎へ行ってしまった。そのお父さんが、金鵄勲章の叙勲にもれたのに不平を言って、柏崎の連隊区に左遷されたのだった。

このお礼さんについてだけはまだ後日談がある。

中学校にはいろんな種類の人間がはいった。僕等を一番の年少者として、もう三、四年も前に高等小学校を終えて自分の家の店で坐っていた二十近いものまでもいた。もうすっかり農村の若い衆になりきっているものもはいって来た。新潟や長岡の中学校の食いつめものもいた。

それらの年長者がいろんなことを僕等の間に輸入した。学校が始まってから間もなく、寄宿舎にいる二、三の年長者達が十三、四の七、八人の生徒を連れて、女郎屋へ遊びに行った。これはすぐ学校に知れてその年長者等は退校になった。それ以来、そうした方面のことはまったくなくなった。

そして生徒の間にすぐに一番の勢力を占めたのは、他の中学校を流れ歩いて来たごろつき連中だった。この連中はみな一人ずつごく年少のそして顔の綺麗なのをその親しい友人に持った。彼等はお互いに指を切って、その血をすすり合って、義兄弟の誓いをした。