輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じじょでん
自叙伝
大杉 栄
線上閱讀大杉 栄《自叙伝(じじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,021 字 · 230 頁
しかしもうそれでは済まなくなった。
中学校は新発田から五十公野へ行く途中の、長い杉並木の間に新しい校舎ができた。そしてその並木路の入口にある小料理屋風の蛇塚屋というのが、僕等不良連の間にスネエクと呼ばれて、みんなの遊び場でもありまたいろんな悪事の本拠地でもあった。みんなはよく学校をエスケエプしてはそこへ行った。
僕は母の財布から金を盗むことを覚えた。母はいつも財布をどこかへ置きっぱなしにしていた。そしていり用のたびにあちこちとそれを探していた。そんなふうで、自分の財布にいくらはいっているのかもよくは知らなかったようだった。僕はそれをいいことにして、二、三十銭から五十銭くらいまでをちょいちょいと盗んだ。
が、だんだん、そんなことではとても追っつかなくなった。そしてとうとう僕は父からもらった時計を売ってしまった。それは銀側の大きな時計で、鍵を真ん中の穴に入れてギイギイと廻す、ごく古い型のものだった。
それがどうしてか母に知れた。
「時計を持ってお父さんのお室へおいで。」
僕は持って行く時計はないのだから、仕方なしにただうんと叱られる決心だけを持って、父の室へ行った。