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りょうかんさまのしょ

良寛様の書

北大路 魯山人

線上閱讀北大路 魯山人《良寛様の書(りょうかんさまのしょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,969 字 · 14 頁

青空文庫

の利いた肉細描線の動き塩梅にあるようである。良寛様の書は懐素のような才技肌ではない。羲之の書に理解の深かった唐太宗一流のまことにこなれきった鋭さ、およびそのいかにも気の利きたる筆の運行に共通し、しかも根本は羲之の非凡に学ぶところが認められるのである。世の模倣家はこの中の現代離れの風体に興味を覚えるようである。が……本ものの良寛様というのは猪口才ではない。日本の書では秋萩帖が手本に取り入れられている。上代文字に対する関心の尋常ならぬことも察せられる。良寛様に近い年代に、美術的、芸術的に著しき作品を遺したものは大雅である。その大雅も真面目に書かれた細字は、十分良寛様と共通するものであるのであるが、ともすると遊戯にふけりたがる大雅は、書道を自己の手すさびのおもちゃにしすぎて、豊饒な天性の技能をいたずらに浪費する癖があり、真摯そのもののみである良寛様とはイデオロギーを異にする。

さらば良寛様の道の伴侶を何人に見出すべきかということであるが、私はまず大徳寺の春屋禅師を推すべきであると思っている。美的価値を問う時においては、それを弥々力説するものである。良寛様の書において今一つ注目されることは、童児の手習いに見る稚拙そのものの含有である。