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りょうかんさまのしょ

良寛様の書

北大路 魯山人

線上閱讀北大路 魯山人《良寛様の書(りょうかんさまのしょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,969 字 · 14 頁

青空文庫

こんなふうに、これらを見る私らは、弥々良寛様の見識に頭が下るものであることを申したかったのである。大抵の者では囚われずにはいない。時流というものに敢然囚われず、身みずから僧をもって任じつつも、僧侶型に顧念せず、凡百の能書に最高所を採り、二流的妙品にはいささかも眼をくれず、一意最高書道に向かって進暢を計るかに見ゆるその態度と卓見は、徳川期の何人にこれを求むるも比類ないところである。これあってこそ良寛様の能書が世に高く遺ったわけであることは当然である。

いくら卓見であっても、腕の天才に恵まれずしては叶わないものであるが、それが幸いにも良寛様には恵まれていた。しかし、いくら恵まれていても習字になまけ者であっては、かくまでの妙技は振えなかったであろうが、その努力癖もまた兼備されていた。しかも、それが誇り気に見せびらかすためでないことはもちろん、もとより売らん哉であろうはずもなく、好きと心の身嗜みで進暢が計られたものに違いない。見て欲しさ、買って貰いたさの手伝ったもの、それはなんとしても、力一ぱいが尽された上に、なお無理矢理、背伸びして高さを誇るのが世の常である。