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はなふぶき

花ふぶき

豊島 与志雄

線上閱讀豊島 与志雄《花ふぶき(はなふぶき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,409 字 · 20 頁

青空文庫

然しまあとにかく、嘉代さんにはそれとなく吹き込んでおいて、皆で一緒に相談してきめることにした。

ところが、おれがそのままぐずついてるうちに、古賀さんの方が性急で、或る晩、自ら直接に嘉代さんへ話をもち出した。――これはおれも迂濶だった。おれなんかが嘉代さんへ話をするよりは、古賀さん自身でじかにするのが当然だ。

だが、その晩は妙な工合だった。古賀さんは一人できて、二階ではなく、階段の上り口の奥の室に坐りこんで、一人で飲みだした。赤木がちょっと相手をして、なにかひそひそ打ち合わせてるらしかった。そして表の土間の客の方は、早めに切り上げてしまった。酒がもうないと、赤木は何度もいった。そのくせ、表を閉めてしまってから、古賀さんへはいくらでも銚子を出した。

古賀さんはもうだいぶ酔っていた。赤木も嘉代さんも、遠慮なく彼の杯を受けた。高笑いが起った。話声が高くなり、また低くなった。病院、神経、電気、などという言葉が聞えた。ははあそうか、とおれは合点した。暫く話がとだえた。

「千代ちゃん、ちょっといらっしゃい。」と嘉代さんが呼んだ。

おれ一人が店の後片付けか、と思っていると、赤木が呼んでくれた。