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くさまくら
草枕
線上閱讀夏目 漱石《草枕(くさまくら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,485 字 · 170 頁
歯を用いるは卑しい。水はあまりに軽い。玉露に至っては濃かなる事、淡水の境を脱して、顎を疲らすほどの硬さを知らず。結構な飲料である。眠られぬと訴うるものあらば、眠らぬも、茶を用いよと勧めたい。
老人はいつの間にやら、青玉の菓子皿を出した。大きな塊を、かくまで薄く、かくまで規則正しく、刳りぬいた匠人の手際は驚ろくべきものと思う。すかして見ると春の日影は一面に射し込んで、射し込んだまま、逃がれ出ずる路を失ったような感じである。中には何も盛らぬがいい。
「御客さんが、青磁を賞められたから、今日はちとばかり見せようと思うて、出して置きました」
「どの青磁を――うん、あの菓子鉢かな。あれは、わしも好じゃ。時にあなた、西洋画では襖などはかけんものかな。かけるなら一つ頼みたいがな」
かいてくれなら、かかぬ事もないが、この和尚の気に入るか入らぬかわからない。せっかく骨を折って、西洋画は駄目だなどと云われては、骨の折栄がない。
「襖には向かないでしょう」
「向かんかな。そうさな、この間の久一さんの画のようじゃ、少し派手過ぎるかも知れん」
「私のは駄目です。あれはまるでいたずらです」