輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あし

葦

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《葦(あし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,406 字 · 25 頁

青空文庫

六

そしてそこで三年勤めてから、こんどは用人格にあげられ、役料百石を加えられて江戸詰を命ぜられた。……これも異数の出頭である、そのとき彼は髭を立てようと決心した。

六

風が渡ると葦たちは波をうって光りながら揺れそよいだ。

かつては淀みの岸に沿って、疎らに弱よわしい茎を伸ばしていたのが、拡げるだけ根を拡げ、すでに淀みの半ば以上を掩いつくしている。またそこには幅六尺ばかりの水路が縦横に切拓いており、秋から冬にかけて葦刈りや鴨猟の舟が往来した。……端から絶えずはらはらと崩れていた岸は、そのためにずっと後退し、なぞえに低くなった。巨きな椎の樹は一本だけ残して伐られ、篠竹や灌木の茂みは畑になっている、したがって今はみぎわも明るく、陰鬱な眺はみられなくなった。

夏にはまれな淋雨があがって、空いっぱい眼にしみるほど鮮かな碧色に晴れた朝、ひとりの老人が釣竿と魚籠をさげてこのみぎわに現われた、菅野又五郎であった。生麻の帷子の着ながしで、脇差だけ差した腰に、高価な莨入が揺れていた。見たところ彼はすべてに満足した隠居というふうだ。過去に良心の咎めもなく、現実に不安もない、道徳も秩序も彼を護ってくれるし、世間はその功績と権威を認め、尊敬をはらっている。