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うすこうばい

薄紅梅

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《薄紅梅(うすこうばい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 61,133 字 · 122 頁

青空文庫

先生お出掛けらしい。玄関には下の塾から交代の当番で、弁持十二が居るのさ。日曜だったし……すぐの座敷で、先生は箪笥の前で着換えの最中、博多の帯をきりりと緊った処なんだ。令夫人は藤色の手柄の高尚な円髷で袴を持って支膝という処へ、敷居越にこの面が、ヌッと出た、と思いたまえ。」

「その顔だね。」

「この面だ。――今朝なぞは特に拙いよ。「糸。」縮んだよ、先生の声が激しい。「お前、中洲のお京の悪口を書いたそうだな。」いきなりだろう、へどもどした。「は、いえ、別に。」「何、何を……悪気はない。悪気がなくって、悪口を、何だ、洒落だ。黙んな、黙んな。洒落は一廉の人間のする事、云う事だ。そのつらで洒落なんぞ、第一読者に対して無礼だよ。べっかっこが聞いて呆れる。そのべっかっこという面を俺の前へ出して見ろ。うわさに聞けば、友子づれで、吉原の河岸をせせって。格子へ飛びつくというから、だぼ沙魚のようになりやがった。――弁持……」十二のくすくす笑っているのを呼びかけて、「溝をせせって、格子へ飛びつくのは、だぼ沙魚じゃない……お前はよく、くだらない事を知っている、何だっけな。」弁持が鹿爪らしく、「は、飛沙魚です、は。