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ぐびじんそう
虞美人草
線上閱讀夏目 漱石《虞美人草(ぐびじんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 198,559 字 · 401 頁
そうして云う。――
「その代り先生の世話は生涯する考だ。僕もいつまでもこんなにぐずぐずしているつもりでもないから――実のところを云うと先生も故のように経済が楽じゃないようだ。だからなお気の毒なのさ。今度の相談もただ結婚と云う単純な問題じゃなくって、それを方便にして、僕の補助を受けたいような素振も見えたくらいだ。だから、そりゃやるよ。飽くまでも先生のために尽すつもりだ。だが結婚したから尽す、結婚せんから尽さないなんて、そんな軽薄な料簡は少しもこっちにゃないんだから――世話になった以上はどうしたって世話になったのさ。それを返してしまうまではどうしたって恩は消えやしないからな」
「君は感心な男だ。先生が聞いたらさぞ喜ぶだろう」
「よく僕の意志が徹するように云ってくれたまえ。誤解が出来るとまた後が困るから」
「よし。感情を害せんようにの。よう云うてやる。その代り十円貸すんぜ」
「貸すよ」と小野さんは笑ながら答えた。
錐は穴を穿つ道具である。縄は物を括る手段である。浅井君は破談を申し込む器械である。錐でなくては松板を潜り抜けようと企てるものはない。縄でなくては栄螺を取り巻く覚悟はつかぬ。