輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はえおとこ

蠅男

海野 十三

線上閱讀海野 十三《蠅男(はえおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,129 字 · 237 頁

青空文庫

あまり長くなると、きっと連れの楢平が怪しんでこの砂風呂に入ってくるだろうから、そのとき騒げば助かるかもしれないと思っていたのだった。

「あの巧妙な手や足はずいぶん巧妙にできているが、一体何と何との働きをするんだ」

「あれはこうだ。まず右手の腕には……」

と、蠅男はついいい気になって、自分の巧妙な義手の話をはじめた。それを帆村は、さっきから待っていたのだ。突然彼は、

「えいッ」

と叫ぶなり、満身の力をこめて、砂の上にガバとうつ伏せになった。

「ああッ」

とお竜が叫んだときは、もうすでに遅かった。帆村の力にひかれて、お竜は強く前の方にグッとひかれ、ヨロヨロとなったところを帆村はすかさず、さっと身をうしろに開いたから、大きなお竜の身体は見事に背負い投げきまって、もんどりうって前に叩きつけられ、したたか腰骨を痛めた。それも道理であった。帆村はお竜の身体が、蠅男の首の真上に落ちかかるよう、うまい狙いをつけて、一石二鳥の利を図ったのだ。

「あッ、危いッ」

と蠅男が悲鳴をあげたが、既にもう遅かった。蠅男の首はズブリと砂の中にもぐりこんだ。

素晴らしい転機であった。

帆村の沈勇は、よく最後の好機をとらえることに成功し、辛うじて死線を越えた。