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けつえきがたさつじんじけん
血液型殺人事件
甲賀 三郎
線上閱讀甲賀 三郎《血液型殺人事件(けつえきがたさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 35,256 字 · 71 頁
円タクから降りて、大分足許のよろよろしている先生の手を取って、玄関の中に這入ると、先生はペタンとそこへ腰を掛けて終われました。取次に出た婆やさんが『まア』と顔をしかめて、私に『すみませんけれども、先生を上に挙げて下さい』というので――」
「玄関に出たのは婆やだけでしたか」
「いいえ、女中がいました。女中は下に降りて、先生の靴を脱がせていました」
「書生はいなかったのですね」
「ええ、いつもいる書生が二三日暇を貰って、故郷に帰ったという話で――それで私が頼まれたのですが、私は頭の方を持ち、婆やと女中が足の方を持って、引摺るようにして、洋間の寝室へ連れて行きました」
「その時に寝室には瓦斯ストーブがついていましたか」
「いいえ、ついていませんでした。婆やがストーブに火をつけますと、先生は縺れた舌で、『もっと以前からつけて置かなくちゃ、寒くていかんじゃないか』といいながら、よろよろと手足を躍るように動かして、洋服を脱ぎ始められました」
「そして寝衣に着替えて、寝られたんですね」
「ええ」
とうなずいて、いおうかいうまいかと鳥渡ためらったが、やはりいった方がいいと思って、