輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

「意気投合していらせられるか」

青木は苦笑して、ねころんだ。

「パンパン宿というものは、威儀を正して坐っていられない気分になるものらしいや。御免蒙って、失敬しますぜ。ところで、長さんや。重ねて、おききしますが、記代子さんの病室を見舞う必要はないのですか」

「先方が会いたがってもいなかろうよ」

「なるほど。しかし、なんとか、してあげる必要はないかねえ」

「君自身が何かの必要を痛感しているらしいな。ぼくに何をやらせようというのかね」

「君自身には、ないのか」

「ない。記代子がぼくを必要とするまでは。どうも、君は、妙にひねくれて、考えているね」

「そうかい」

青木は素直に考えこんだ。理窟は、たしかに、そうでもある。しかし、これでは、隣人というものが助からない。

「なア。長さんや。記代子さんの放浪、恋愛、愛人の裏切り、輪姦、脱走、病気。よくもまア、これだけの困ったことを、たった一人で引きうけたものさ。隣人は不幸を分ちあうものさ。君は彼女の死んだ父母に代るべき最も近い肉親ですよ。最大の隣人ですよ。君が何かをしてやらなくて、誰が彼女の再生の支えとなる者があるのかね。え?」

青木は改まって、起き上らずにいられなかったが、それが一そう長平に不興を与えたようであった。