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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

彼女は救われるかも知れないからさ。なぜなら、汚れが少いから。ぼくは今もなお最も多く彼女を尊敬しているよ」

六

青木に別れて、二人は銀座裏のバーへ行った。長平の二十年来の行きつけの店だ。二階になじみのバーテンが寝泊りしていて二人を迎えてくれたが、営業は夜だけだから、昼は人のくる気づかいがない。

薄暗いなかでジンヒーズをつくってもらって飲んでいると、ノックの音がした。

放二が錠を外して扉をあけると、青木が礼子を案内してきて、じゃア、また六時に、と、自分はそそくさ姿を消した。

この会見のあとで、長平はもう一度青木に会わなければならないのである。宵の六時にもう一度と青木はきかないのである。

「ここで、みんな話をすますわけにはいかないのかい」

長平は面倒がってたのんだのだが、

「いちど、その前に、礼子に会ってやってくれよ。それからぼくは君に会って、胸の中をきいてもらいたいのだ」

青木はそう頼んで、きかなかった。そして六時の会見は、長平のきゝなれない、豪勢らしい料亭が指定されていた。

礼子は一別以来の尋常な挨拶を終ると、放二の方にチラと目をやって、

「こちら、北川さん?」