輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《註文帳(ちゅうもんちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,770 字 · 67 頁

青空文庫

悪いことは申しませんから、お泊んなさいまし、ね、そうなさいまし。

そしてお若さんもお炬燵へ、まあ、いらっしゃいまし、何ぞお暖なもので縁起直しに貴下一口差上げましょうから、

あれさ、何は差置きましてもこの雪じゃありませんかねえ。」

「実はどういうんだか、今夜の雪は一片でも身体へ当るたびに、毒虫に螫れるような気がするんです。」

と好個の男児何の事ぞ、あやかしの糸に纏われて、備わった身の品を失うまで、かかる寒さに弱ったのであった。

「ですからそうなさいまし、さあ御安心。お若さん宜うございましょう? 旦那はあちらで十二時までは受合お休み、夜が明けて爺やとお辻さんが帰って参りましたら、それは杉が心得ますから、ねえ、お若さん。」

お杉大明神様と震えつく相談と思の外、お若は空吹く風のよう、耳にもかけない風情で、恍惚して眠そうである。

はッと思うと少年よりは、お杉がぎッくり、呆気に取られながら安からぬ顔を、お若はちょいと見て笑って、うつむいて、

「夜が明けると直お帰んなさるんなら厭!」

「そうすりゃ、」と杉は勢込み、突然上着の衣兜の口を、しっかりとつかまえて、

「こうして、お引留めなさいましな。