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しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

線上閱讀萩原 朔太郎《詩の原理(しのげんり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 頁

青空文庫

第六章 形式主義と自由主義

によってされないで、主観の感情によって温熱されたる、心情の意味としてされねばならない。そうでなく、象徴が純に客観的の観照によってされるならば、それは小説に属して詩に属さない。新しき文学の批判にあっては、この一つの線を判然とする必要がある。

第六章 形式主義と自由主義

詩に於ては、音律が重大の要素であり、それが殆ど詩的形式の骨組をすることは、前に既に述べた通りだ。しかし詩が音律を要求するのは、感情の強き表出を求めたためで、必ずしも拍節形式のための要求ではない。もちろん、言語の発想はそれが「音」として響く限り、大体に於て音楽の原則に支配さるべく、必然に決定されているには違いないが、所詮文学は文学である故に、言語が必ずしも音楽の規約と一致し、楽典の定める韻律の形式と、常に機械的に規則正しく符節するということは考え得ない。もしかかる符節があるとすれば、それはむしろ偶然であり、百に一の場合と言わねばならぬ。

然るに不思議なことは、古今すべての詩の約束が、この偶然の場合を法則とし、音楽に於ける韻律の形式を、そのまま正則に言語に移して、所謂「韻文」を成形していることである。