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にんしきろんとはなにか

認識論とは何か

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《認識論とは何か(にんしきろんとはなにか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 58,432 字 · 116 頁

青空文庫

第四章 意識について

実践的模写説による真理の観念は、従来の殆んど一切のブルジョア観念論(乃至ブルジョア唯物論)の認識論による真理諸観念を止揚するものだと見ていいだろう。――真理の問題はまだ之では説き尽くせないが、他の章の折に触れて見て行こう。

第四章 意識について

以上述べた真理の観念は、主として理論的認識に即した真理、即ち理論的な真理、を中心とするのであった。普遍の範囲に於て理解された認識論ならば、真理をそういうものに制限するのも無理からぬことだ。だが真理をわざわざそういうものに限定することは、この観念を日常活用されている常識語から絶縁して使うことを意味する。それはアカデミックな用語としては一応の役に立っても、現実の言葉としては一つの抽象物でしかない。真理は決して単に理論的なものには限らぬ。芸術的真理や道徳的真理、更に宗教的真理というものさえ、考えられなくはない。真理を真実と呼び直せば、この点おのずから明らかだろう。

真理を理論的なものに制限して考察することは、つまりごく普通の学術的惰性に従った意味に於ける論理に之を限定することだ。論理学というものは比較的内容が一定したものとも考えられるが(例えば学校論理学のように)、併し理論となると必ずしも一定した規定を世間では与え得ない。