輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ろじょう
路上
線上閱讀芥川 竜之介《路上(ろじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,539 字 · 87 頁
「とても暇にはなりませんよ。クレマンソオはどうしても、僕の辞職を聴許してくれませんからね。」
新田は俊助と顔を見合せたが、そこに漂っている微笑を認めると、また黙然と病室の隅へ歩を移して、さっきからじっと二人を見つめていた、品の好い半白の男に声をかけた。
「どうした。まだ細君は帰って来ないかね。」
「それがですよ。妻の方じゃ帰りたがっているんですが、――」
その患者はこう云いかけて、急に疑わしそうな眼を俊助へ向けると、気味の悪いほど真剣な調子になって、
「先生、あなたは大変な人を伴れて御出でなすった。こりゃあの評判の女たらしですぜ。私の妻をひっかけた――」
「そうか。じゃ早速僕から、警察へ引き渡してやろう。」
新田は無造作に調子を合わすと、三度俊助の方へ振り返って、
「君、この連中が死んだ後で、脳髄を出して見るとね、うす赤い皺の重なり合った上に、まるで卵の白味のような物が、ほんの指先ほど、かかっているんだよ。」
「そうかね。」
俊助は依然として微笑をやめなかった。
「つまり磐梯山の爆発も、クレマンソオへ出した辞職届も、女たらしの大学生も、皆その白味のような物から出て来るんだ、我々の思想や感情だって――まあ、他は推して知るべしだね。