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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
線上閱讀谷 譲次《踊る地平線(上)(おどるちへいせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 168,926 字 · 332 頁
それが――と思うと、やにわにテエブルの角を跨いで、しばらく適度に苦心惨憺したのち、その十法札を挟んで悠々と持って行ってしまった。それはじつに、習練と経験を示す一つの芸だったと言わなければならない。
瞬間の驚きから立ち返ると同時に、みんなは争って卓子の隅へ金を出した。だから同時に、あっちでもこっちでも、狭いテエブルの間にこの白い曲芸が演じられている。奥様ふうなのも踊子も、令嬢みたいなのも女給々々したのも。みな一せいに――。
へんに眼の光る、圧迫的な沈黙がつづいた。そのなかで、高く着物を押さえた女たちが、卓子から卓子へ移って秘奥をつくし、男たちはすべて、誰もかれも無関心らしく頬杖なんか突いていた。じっさいそれは、私達の持つ文明と教養を蹂躙しつくして止まない、奇異な悪夢の一場面であった。
みんないつまでも金を置くから限りがない。
酒番のお婆さんは、語らなそうにそこらを拭いている。
アンリ親分は超然として壁に煙草を吹きつけていた。
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第三の場処「夜の花園」――については、残念ながら何ら筆にすることが出来ない。ただ所在を記すだけにとどめておこう。