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めいしんかい

迷信解

井上 円了

線上閱讀井上 円了《迷信解(めいしんかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,601 字 · 96 頁

青空文庫

大天狗はその形山伏に似て、しかも鼻高く翼をそなえたる怪物にして、小天狗はその形鳥に似ておる。すなわち、世にいう木の葉天狗のことである。

天狗の名称はシナの書物より伝わりたるに相違ない。その書物のうちにて、最も古く天狗の名称の見えたるは『史記』という書物である。しかし、『史記』の天狗はその文面より見るに、雷獣に与えたる名目のように思わる。されば、怪物の天狗は日本人の想像より起こりたるものにて、外国伝来ではないと考えてよろしい。さて、わが国にて天狗の怪談の起こりたるは、およそ千年ほど以前のことである。そののち源平時代より足利時代に当たりて、その怪談が大いに流行したものと見ゆ。そのうちにて世間によく知られている話は、源義経が幼少のころ、鞍馬山に入りて僧正坊と申す天狗に遇い、剣術を授かりたりといえる怪談である。このほか、この時代のことを記せる書中には、天狗談がたくさん載せてある。

天狗のありさまを示すために、古今の怪談中、一、二の例を挙げて示そうと思う。「昔、伊勢の国のある山寺の小僧、ふと失せて見えなくなり、一両日を過ぎて堂の上におるを見つけ、これを引きおろして見るに、全く正気を失いいたり。