輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

どうとくのかんねん

道徳の観念

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《道徳の観念(どうとくのかんねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 71,388 字 · 140 頁

青空文庫

つまり之はフューシス(物理・自然)に対立する処のエトス(倫理)であり人事であり精神なのである。

処でこのモラルという言葉が今日では全く文学的な用語として通用していることを忘れてはならぬ。人々は文学の内に(文学を必ずしも狭く文芸に限らず広く芸術の思想的イデーと理解してよいが)、常にモラルを求めている。処がこのモラルが所謂道徳――例の領域道徳として善悪とか道徳律とか修身徳目とかに帰する処の通俗常識的道徳――でないことは、判り切ったことだろう。文学の内にそういう通俗常識的道徳律や勧善懲悪や教訓を求めることは、専ら通俗常識か道学者かの仕事であって、常識ある文学読者のなすべきことではない、ということに世間では事実なっているだろう。

さてこの文学的良識によると、道徳は、吾々が之までの各章で見なかった処の或る別な相貌を以って現われて来るわけだ。夫は現にモラルという名の下に、文学の内に最も著しく現われているのだ。或る意味に於て、文学が追求するものこそこのモラルだと云うことが出来る。――でこのモラル乃至倫理を、私は仮に文学的な道徳観念と呼ぶことにしよう。

繰り返して云うが、道徳に関するこの文学的観念は、少なくとも夫が普通世間に存在している形では、全く一つの――但し相当優れた――常識にぞくする。