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どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
線上閱讀郡 虎彦《道成寺(一幕劇)(どうじょうじ(ひとまくげき))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,256 字 · 30 頁
その呪いでこれまでは作るのも作るのも、供養に一と打ちすると陶器のようにこわれてしまったのが、今夜ばかりはどうしてか、一つ一つに打ち出す呻き声がさっきのように谷底の小蛇の巣や蜘蛛の網にまでひびいて行ったのだから、ほんとにどのようなしかえしが来ようも知れぬ、こんな益のない見張りをしているうちには、どこからか鱗の音を忍んで這い上って来るにちがいないのだ。
間。
妙信 (不安なる姿にて左右を顧※しつつ鐘楼の石段に腰をおろして)さあ、このような恐ろしい晩に、黙っているのはよくないことだ。怪しい声音がいろいろのくらやみから聞え出す、それにあの風の音よ。ここへ腰をおろして話でも始めないか。離れているとつい寒気などがして来るわ。
若僧 (立ちたるまま決意の語調)老僧様。のがれることも出来ない網にかかったと申されましたが、私はどのような障碍にあいましょうと、一人で降りて行きとうございます。三善の知識が得たいばかりにわが家をもぬけ出て来ましたものを、まだ人の世の夢やかなしみのはかない姿も見わけぬうち、このように不祥な霧が若やかな樫の葉にも震えている山の中で、怪しい邪婬の火に身を巻かれとうはございませぬ。