輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

どうひょう

道標

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《道標(どうひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 846,457 字 · 1672 頁

青空文庫

キラキラした明るさが、うす青い壁にかこまれた室じゅうに反射している。パッサージの屋根に、いつかすっかりガラスがはいっているのだった。トゥウェルスカヤ通りからみると「モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)夕刊」と重々しく派手な電気看板がついた、そこの屋根にあたるのだった。

夜になると、伸子はわが目とわが耳とをうたがった。ガラス屋根は、内部にともされるどっさりの燈火をうつして柔かくガラスのランターンのように輝きはじめた。柔かな明るさの奥から、音楽がきこえた。伸子たちの室の窓は、パッサージの屋根より高いところにあったから、そのガラス屋根の輝きやそこから微かに湧いてきこえる音楽は、ホテルの夜の単調さをやわらげる役にこそ立て、伸子たちの生活の邪魔にはならないのだった。

並木道につづいたアストージェンカの、しんとした夜々が、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の活気にみちた夜にかわった。

そして、或る日の午後、伸子はふと窓の下のガラス屋根に何かを認め、そっとデスクの前を立って窓へよって行った。

もう日蔭にしか雪ののこっていない早春の、乾いたガラス屋根のところに、三人の青年と二人の娘が出て来ている。