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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
線上閱讀伊藤 左千夫《野菊の墓(つげびと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,955 字 · 71 頁
それに規則的にしかも仕事は熟練してるから、花前がきてから二か月にして、牛舎は一変した観がある、主人はもはやじゅうぶんに花前の変人なりをのみこんでるから、すべてつごうよくはこぶのであった。
水車の運動はことなき平生には、きわめて円滑にゆくけれど、なにかすこしでも輪の回転にふれるものがあると、いささかの故障が全部の働きをやぶるのである。
主人は読書にあいて庭に運動した。秋草もまったく朽ちつくして、わずかにけいとうと野菊の花がのこっているばかりである。主人は熱した頭を冷気にさらしてしばらくたたずんでおった。露霜に痛められて、さびにさびたのこりの草花に、いいがたきあわれを感じて、主人はなんとなし悲しくなった。
こういうときには、みょうにものに驚きやすい、主人は耳をそばだてて、牛舎に荒あらしきののしりの声を聞きつけた。やがて細君も木戸へ顔をだして、きてくれという。いってみると、兼吉と五郎がふたりして、花前を引きたてて牛舎からでるところであった。
花前は、ややもすればふたりをはらいのけようとする。ふたりは、ひっしと花前の両手を片手ずつとらえて離さない。ふたりはとうとう花前を主人のまえに引きすえて訴える。