輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
線上閱讀林 不忘《釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,957 字 · 31 頁
雑草が、土のにおいに噎せんで、春のあし音は、江戸のどこにでもあった。
そんな日だった。
前夜の、理由のない恐怖と妖異感は、陽光が溶かし去っていた。階下の茶箪笥の上の竜手様は、金いろの朝日のなかで、むしろ滑稽に見えた。
手垢と埃塵によごれて、小さく固まっている竜の手――忘れられて、馬鹿ばかしく、ごろっと転がっていた。
朝飯の食卓だった。
庄太郎は、この一つ目からすぐ傍の、弥勒寺まえ、五間堀の逸見若狭守様のお上屋敷へ、屋根の葺きかえに雇われていて、きょうは、仕上げの日だ。急ぐので、中腰に、飯をかっこんでいた。
おこうが、味噌汁をよそいながら、
「つぎの仕事は、もう当りがおつきかえ。」
「親方のほうに、話して来ているようだ。」
惣平次も、口いっぱいの飯の中から、
「庄公はまだ、瓦職とは言っても、下から瓦を運ぶ組だろう。なかなか屋根へは上げてくれめえ。もっとも、高えところへ上って、瓦を置くようになりゃあ一人前だが――。」
「冗談いっちゃあいけねえ。今度の仕事から、どんどん上へあがって、瓦を並べていらあ。おらあ何だとよ、手筋がいいとよ。親方が、そ言ってた。」
「そうか。