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ぶくぶくながながひのめこぞう
鈴木三重吉童話集
鈴木 三重吉
線上閱讀鈴木 三重吉《鈴木三重吉童話集(ぶくぶくながながひのめこぞう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 58,287 字 · 119 頁
すると下界は王子たちのいる方に光がさすだけで、兵たいがかけて来る方の半分は、ふいに夜のようにまっくらになってしまいました。
王子たちは、兵たいが暗がりでまごまごしている間に、
「さあ、走れ走れ。」と言いながら、ふたたび王女の手をとって、おおいそぎでかけ出しました。長々は王子たちが、いいかげん遠くまでにげのびたのを見すまして、ひょいと帽子をはずして、頭にかぶりました。そして一と足で一里またげる、その長い足で、ひょい/\/\と、またたく間に王子のそばへ追いつきました。
それからみんなは、また一しょに走りつづけました。そのうちに向うの方に、王子の御殿のある町が見え出しました。王子は、
「どうだ、兵たいはもうひきかえしたか。ちょっと見てくれ。」と、火の目小僧に言いました。火の目小僧はまた後をふりかえって、
「おや、またじきあすこに砂烟が見えます。これはたいへんだ。」とあわてました。すると、ぶくぶくが、
「じゃァみなさんはかまわずおにげ下さい。私がここにのこって、ちゃんとしますから。」と、王子たちをさきににがしました。
八
ぶくぶくはそのあとへ一人で立ちはだかったまま、ぶく/\ぶく/\と、見る見るうちに大きな大きな大山のようにふくれ上りました。