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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

ふしぎな尾行

それで用心をしたのですよ。金に目がくれて、つかまってしまっては、なんにもなりません。そこで、こんなことを考えついたのです。あなたが、ひとりで来て、札たばのふろしきづつみをおいて行ったら、あとから、とりにくるつもりだったのでしょう。そして、なんのじゃまもなく、金が手にはいったら、そのときはじめて、ほんとうの賢二君をかえすつもりだったのかもしれません。

また、もし刑事が地下室へ、のりこんでくるようなことがあったら、札たばはそのままにして、ほんものの賢二君をどこかへつれさり、あなたや中村警部に、ざまをみろと、思いしらせる計画だったのです。二つに一つ、どちらにしても、そんはしないという、じつにうまい考えですよ。」

それをきくと、人びとは、怪人のおくそこしれぬ、悪知恵にあきれかえってしまいました。しかし、明智探偵の知恵は、さすがに、それよりも、もういちだん、すぐれていました。怪人の悪だくみを見やぶったばかりか、小林少年にさしずをして、怪人の本拠をつきとめようとさえしているのです。

ふしぎな尾行

原っぱのすみの、暗やみの中に、ヘッドライトも、ルームランプも消した一台の大型自動車が、とまっていました。