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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

」と、おどろきのさけび声をたてました。

そのころ、夜はしらじらとあけて、鉄塔の屋上は、もうあかるくなっていました。そのひと目で見える、屋上に、小林少年と賢二少年の姿が、どこにも見あたらなかったのです。二十面相のカブトムシは、あわてふためいて、屋上をかこむ鉄のてすりを、おそろしい早さで、さがしまわりました。しかし、てすりの外に、身をかくしているようすもありません。

まったく、ありえないことがおこったのです。屋上へのただひとつの出入り口には、ちゃんとかぎがかかっていました。塔からとびおりるはずはありません。そんなことをすれば命がないのです。ではどこへかくれたのか。いや、かくれる場所なんて、ぜったいにありません。ああ、ふたりの少年は、魔法をつかって、煙となって、空へまいのぼってしまったのでしょうか。

そう考えて思わず空を見あげたとき、その空のかなたから、ブーンという異様な音がひびいてきました。そして、一羽の巨大な鳥が、こちらへ近づいてくるのです。いや鳥ではありません。もう夜があけたので、その姿が、はっきり見わけられます。それは一台のヘリコプターでした。