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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁
おばけカブトムシの事件で、世間がさわいでいるのをさいわいに、こんなつくり話をでっちあげたとしか、おもえないのです。
「まよっているね。むりはない。それじゃ一日だけ待つことにしよう。あすの夕方、おれの方から電話をかける。五時から六時までのあいだ、かならずうちにいてくれ。そして、そのときに、金か子どもかはっきりきめてくれ。もし、そのとき、あんたがうちにいなければ、賢二ぼうやをちょうだいする。これははっきりことわっておくよ。」
村瀬となのる男は、それだけいうと、いすから立ちあがって、庭にむかった大きな窓の方へ、あとじさりに歩いていきました。
「まだ、ベルをおしちゃいけない。おれの姿が見えなくなるまで、じっとこしかけているんだ。でないと、このピストルが火をはくんだぜ。」
そこの窓には、あついビロードのカーテンが、床までたれていました。村瀬は、そのカーテンのあわせめをまくって、むこうがわに、姿をかくしました。しかし、そのまま、窓から出ていこうともせず、カーテンのあわせめから、ピストルのさきを出して、じっとこちらをねらっています。カーテンの下からは、かれのくつが見えています。