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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

」

「そうだよ。きみとおなじような上着をきていたので、うしろ姿では、見わけがつかなかった。まさか、ひるまから、こんなだいたんなまねをするとは思いもよらないのでね。さあ、いそいで運転してくれ。もううちに近いんだから、帰ってから警察に電話をかけよう。ぼくらは、だいじなものを、ぬすまれてしまったんだよ。」

そこで、三人は自動車に乗りこみましたが、車が走りだそうとするとき、賢吉少年が、「あっ。」と声をたてました。まっさおな顔になって、目がとびだすほど大きくなっています。そして、窓の外をじっと見つめているのです。

戸田と運転手は、おどろいて、賢吉君の見つめているところを見ました。

高いコンクリートべいの上から、なにかがのぞいていました。うしろには、大きな木の枝が青黒くしげっています。その前のへいの頂上に、なにか黒いものが見えるのです。

それは、えたいのしれぬ、へんてこなものでした。黒い顔の中に、リンのように青く光るふたつの目がありました。耳までさけた口がありました。その口から、ニューッと白い牙がつきだしているのです。頭には、するどい鉄のトサカがはえています。