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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

ハヤブサ丸の甲板の人たちはハンカチをふり、ばんざいをとなえて、これをむかえました。

美しいカモメ丸は、五十メートルほど、むこうの海面にとまり、ボートがおろされています。むこうの甲板にも、船客たちがすずなりになって、こちらを見ています。きっと金塊引きあげのうわさをきいていたのでしょう。

おろされたボートは、四人の水夫がオールをこいで、一直線にこちらへ近づいてきました。ばんざいの声が、ハヤブサ丸の甲板にどよめきました。

ボートの中に、すっくと立っているのは、われらの名探偵明智小五郎でした。せいの高いからだに、よくにあう黒の背広、モジャモジャ頭を、風になびかせ、右手を高くあげて、あいさつしています。

「おやっ、あれはなんだろう。海ぼうずみたいなものが、やってきたぞ。」

だれかが、どなりました。見ると、カモメ丸の船尾の方から、黒い大きな怪物が、ボートのあとをおって、こちらへやってくるではありませんか。背中に大きなコブのある、クジラのような黒いやつです。よく見ると、背中のコブの上に、ほそい鉄の棒のようなものが立っています。小林君がさけびました。

「賢ちゃん、あれペリスコープだよ。